組織の成長痛を乗り越えて ――初めてのワークショップ体験記

そらまめ訪問看護ステーションは、地域に根ざした質の高い訪問看護サービスを提供している看護事業所です。現在スタッフ10名体制で運営されている同ステーションでは、この度LiMiNALコンサルティングによる組織開発プロジェクトを実施。今回は代表の伊藤社長に、初めてのワークショップおよびコーチングの経験とその後の変化、そして今後の展望についてお話を伺いました。

参加者

中北

LiMiNAL 代表取締役

伊藤

そらまめ訪問看護ステーション 代表取締役


初めてのワークショップ体験 ~戸惑いと発見~

今回そらまめさんには組織開発プロジェクトとして、ワークショップ1回目→1on1コーチング3回/人→ワークショップ2回目を実施させていただきました。まず、ワークショップについてお伺いできればと思います。

実は私自身、今まで生きてきた中で初めてワークショップというものを体験しました。「ワークショップ」という言葉すら、正直よく分からない状態からのスタートでしたが、1回目が終わった時にやって良かったなと思いました。

あのときはエニアグラムをやったんですよね。自分がこういう人なんだっていうのは「ああ、なるほどな」というところがありました。

1回目のワークショップでは「自身」「チームメンバー」「会社」を知ること、そしてそれを踏まえて会社のありたい姿を作ってもらいました。エニアグラムを通じて自己・他者理解が進んだ様子でしたね。ワークショップ後、「みんなのエニアグラムしようよ」みたいな、自発的な動きはありましたか?

全体会で自己紹介のときにエニアグラムの結果を共有したりして、スタッフそれぞれがどういう人なのかが分かったのが、よかったですね。

2回目のワークショップで表面化した課題

ただ、2回目はちょっと…スタッフの気持ちを聞いて、周りがちょっと荒れたところもあったので、「大丈夫かな」「人間関係がちょっと若干ギクシャクしているな」という感じはありました。

2回目のワークショップは、コーチングを通じて「みんな思っていることがある。けどそれを出すのをみんな躊躇っている」という組織課題に対して実施しました。それまでは表に出てこなかった本音が、ワークショップで一気に出てきた感じがしましたね。

やっぱり組織には本音ではいろんなことを思う人がいるというところが、明らかになりました。私も看護師として働いてきて、自分自身もマイナス思考に陥ることがあったから、それはそれぞれあるんだなと思うんですけど、やっぱり「頑張ろう」っていう人と、マイナスな人が両極端にいたなというところを感じました。

組織の対立がさらに深まったりはしましたか?

最初はザワッとなって、人間関係もギクシャクしたところはありました。でも時間が経つにつれて、だんだん薄まってきたように感じます。

まさに組織が変容していくプロセスが進んでいますね。

そうですね。場に表出した意見に対して、会社として何か答えを出したいと思っているので、今後全体会で何か具体的なことを発表しようかなと考えています。

すごくいい傾向だと思います。本当は思っていることがあるにも関わらず、それを出さずにありたい姿に向かっていくことは難しいです。しっかり思っていることを、感情や伝えづらいことも含めて表出させて、そこから創っていくことで本当の意味で組織が変容していけます。その意味で、伊藤社長も皆さんも苦しかったと思いますけど、出し切ってくれて、そこから創っていただいて私としても感謝の想いがあります。

スタッフの反応と今後の展望

ワークショップをやってみて、スタッフの皆さんの反応はいかがでしたか。

ポジティブな反応とネガティブな反応が、半々な感じです。「みんなの心を聞けてよかった」というスタッフもいますし、「やらない方が良かったのかな」と思っているスタッフもいます。

みんなそれぞれに思うところがありますから、チームを一枚岩にするのは難しいですよね。

マイナスの意見が出たことも、実はプラスだったんじゃないですか?

あぁ、そうかもしれません。みんなの本音がわかって良かったという面もあります。みんなこう思ってるんだってわかったら、対処のしようがありますから。
みんなが思ったことがわかったから、じゃあどうしていこうか、と考えられる。ガチンコバトルするんじゃなくて、そこから一緒に作っていけるはずなんです。
あと、積極的にワークショップに参加してくれたスタッフには、今後もみんなの気持ちを聞く役割や、中北さんと現場の橋渡し役として企画からフォローアップできるようになったらいいな、というのも考えているんです。

それはいいですね。ゆくゆくは、スキルを高めて組織開発を自社でできるようになるのが私たちが考える理想です。

困難を乗り越えるための模索

ワークショップを終えて課題が見えてきたところだと思います。これからの対応について、どうお考えですか?

表に出てきた課題に対して、会社として答えを出したいなと思っています。全体会を行い、自分の言葉で伝えようと考えています。ただ、本音がたくさん出てきて荒れるんじゃないかという怖さもあります。

「本音を言っていい会社」を作るのは簡単なことではありません。本音を言い過ぎて、誰かが傷つくみたいなのはどうなのかなって思いますし、でも正直な気持ちや考えを聞きたい部分はあるんです。私自身は聞くのは全然いいんですけど、それでみんなが傷ついてっていうのはすごく嫌だなと思います。

確かに、本音を言うのはいいけれど、そこに「思いやり」は必要ですよね。

そうなんです。感情に任せて本音を言うのではなく、思いやりを持って伝えてほしい。今回の研修で、一度表面化した問題を放ったままにするのではなく、しっかりと向き合って解決していく必要性を感じています。

継続的にサポートを受けながら、どう修復させていくのかというところが重要だと思います。中北さんのようなプロの方がいなかったら、どうしたらいいかわからなかったと思います。

コーチングの効果と自己成長

次にコーチングについてもお伺いします。伊藤社長が実際にコーチングを受けられてみて、ご自身としてどのような感想をお持ちですか?

最初はコーチングってよくわからなかったんですよ。でもお話を聞いてくれて、導いてくれる感じで、結果的に受けてよかったなと思いました。そのときに「なりたいリーダー」について考えたり、自分がこういうふうにしたら安心するんだということに気づけました。
継続していくことが重要ですね。

コーチングで気づいたことは、社長としての行動に活かせていますか?

自分のやりたいことをみんなに伝えるっていうのを、最近できてないなと思っていて。躊躇しちゃって、人の顔色を見てしまうんです。

小さい頃から赤面症で、人前に出られないタイプで。「社長なんて無理」って思ってました。引っ張るのも苦手だなって、未だに思いますけど、でもやらなきゃいけないから。

伊藤社長を担当したコーチからは「伊藤さんが一人の看護師から本当に社長になっていった」と言っていました。コーチングをするなかで、視座が上がっていく様子を見ているのが伴走していて楽しかったと話していましたよ。

そうなんですね!自信はないんですけど(笑)、少しは活かせているのかな。

これからどんどん組織が大きくなるなかで、社長としての役割も変わってきていますね。

そうなんです。今は現場に行かなくなってきているので、利用者さんのことが見えてないんじゃないかって不安になります。

私、現場が好きなんです。でも、スタッフに任せないといけない。報告を受けて「こうしたら?」ってアドバイスはできるんですけど、深く関わってないなって感じるんです。

まさに現場から経営への移行期ですね。個人的には、これからどう変化していくのかすごく楽しみです。

そう言っていただけると嬉しいです(笑)。

今後への期待と要望

今後、私たちに期待することはありますか。

「そらまめ訪問看護ステーション」は、会社のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)をベースに、チームワークを大切にして、みんなが協力し合う組織を目指しています。「LiMiNALコンサルティング」には、今後もそのための支援をしていただきたいです。

継続してワークショップをやるのは結構大変なので、例えば朝の1時間とかに入ってもらって、前回出た話を継続的に話し合うような場があればいいと思います。組織の中だけでやるのは難しいので、中北さんたちのように中立的な立場で入ってもらって、みんなの意見を引き出せるようなスキルを持った方のサポートが必要だと思います。
「そらまめ訪問看護ステーション」を一緒に良くしていただけたらありがたいです。

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