週休2.5日を7カ月やってみて、見えてきたこと——「休みを増やす」だけでは、本当の意味では休めない

LiMiNALコンサルティングでは、2025年11月から、給与を変えずに週休2.5日制を運用しています。制度を始めて約7カ月。平日に半日の休みが増えたことで、働き方や暮らしはどのように変わったのか。そして、実際に運用したからこそ見えてきた課題は何だったのか。代表の北山と社員の鈴木が、7カ月間を振り返りました。


参加者

北山

LiMiNAL 代表取締役

鈴木

LiMiNAL 社員


「100%、やってよかった」二人に共通していた実感

まずは、週休2.5日を7カ月間やってみてどうだったか、というところから始めましょう。やってよかったですか?

100%、やってよかったと思っています。私は、子どもの用事や家の用事で、仕事を抜けたり休んだりすることが結構あるのですが、平日半日の休みをそうした用事に充てられるようになりました。制度として「半日休んでよい」という前提があるので、堂々と休めるというか、申し訳ないという気持ちを持たずに休めています。

これまでは、休むことに申し訳なさがあったということ?

そうですね。今までの経験から、自分が休んでしまうと、その分誰かの仕事が増えてしまったり、仕事が溜まってしまう。そこに対して申し訳ないという気持ちがありました。
また、貴重な有給休暇がどんどん用事のためだけに消えていくようで、休みを自分のために使えてないなという感覚もありました。

今までは用事を済ませるための休みになっていて、本当の意味の休みとしては、あまり使えていなかったのかもしれませんね。

そう思います。

半日の余白が、土日の過ごし方まで変えた

私も、平日の半日休みが合ってよかったと感じています。
その時間に買い物や美容院へ行ったり、金曜日の午後から土日につなげて旅行へ行ったりしました。美容院は土日にも行けますが、平日の午後のほうが空いていて、予約も取りやすい。平日に用事を済ませられると、その分、土日はゆっくり過ごせるんですよね。実際にやってみて、平日に半日の休みがあるのはすごくいいと感じました

美容院は平日の方が断然予約取りやすいですよね(笑)
私も、今までまとめて土日にやっていたようなことを平日に済ませることで、土日に余裕ができたように思います。

こうやって話してみると、単純に「半日分休みは増えました」というだけではないんですよね。

そうですね。私の場合は、罪悪感を持たず休めるようになったということも大きいです。

平日の半日が空くことで土日の過ごし方も変わる。時間としては半日だけど、その半日以上の余白が生まれている感じはしますね。

休みなのに、通知が来ると意識が仕事に戻ってしまう

ただ、休んでいるときに、スマートフォンにTeamsの通知がくると、やっぱり仕事のことが気になってしまいます。なんか通知が来た。めちゃくちゃ気になって、結局見ちゃう。みたいな(笑)

その通知を送っているのは、おそらく私かな(笑)

まぁそうだね(笑)

「休みだけど送ってやろう」という気持ちではなくて(笑)申し訳ないという気持ちや、少しためらいを持ちながら送っているんですよね。
でも、これって考えてみると面白い。制度としては休みになっているのに、通知が一つ来ただけで、意識は仕事に戻ってしまう。

そうなの。休んでいるはずなのに。

そう考えると、制度として「休みをつくる」だけでは足りないのかもしれませんね。

そう思います。そこは、実際にやってみたからこそ気づけたことですよね。

気づいたことは、話して、変えてみる

では、そこをどうしていくかですね。

私の場合、通知が来たときに気になってしまうのって、「来たら返さなきゃ」「なるべく早く反応しなきゃ」という感覚が自分の中にあるからだと思うんです。
これまで、「連絡に早く反応する人・すぐに対応できる人が評価される」という価値観を持って働いてきたから。

あぁ、なるほど。早く反応することが仕事の評価に結びついてるんだ。

そう。だから、休みだと分かっていても、連絡が来ているのに返していないと、何となく落ち着かない。「相手は、返事を待っているのかもしれない」と思ってしまう。

でも実際、全部すぐ返さなきゃいけないのかというと、そんなことはないんですよね。

そうそう。

少し返信が遅れたからといって、仕事の結果か大きく変わることばかりではない。私は、即レスするかどうかと、その人の仕事への姿勢や評価は、別の話だと思っています。

すべてに対して「即レスしなければ」という価値観は、だいぶ手放してきたように思います。まだ残っている部分もありますが。

残るよね。「今日から手放そう」と思って、簡単になくなるものではないし。

でも少しずつ、すぐに返信しなくても、それで評価が下がるわけじゃない、関係が悪くなるわけではないと思えるようになってきた。

それは、毎朝やっている対話型ミーティングが効いているのかもしれないね。そこでお互いがどういう状態なのか、何を感じているのかを知っておく。「今忙しいんだな」とか「最近は余裕がなさそうだな」とかが何となくわかる。

そう。だから、返事がすぐ来なくても「何で返ってこないの?」「変なこと言ったかな?」とはならない。

そう考えると、「即レスしなくても大丈夫」と思える関係を、普段から作っておくことは大事だよね。そういう土台があって、やっと安心して休めるんだと思う。

減らしたいのは、仕事の「時間」だけではない

あと、週休2.5日を続けるには、半日分の仕事をどう減らすかも欠かせません。

そうだね。今まで5日でやっていた仕事を、そのまま4.5日に詰め込むというのは、私たちが目指していることではないもんね。

そう。だから、仕事そのものを減らしたり、効率化する必要がある。
ただ、効率化というと、単純に作業の数や時間を減らすことを考えがちですが、私たちはそれだけでなく、仕事に感じる心理的な重さを減らすことも効率化の一つとして考えてきました。

それほど大変な作業ではないのに、なぜか重たく感じる仕事ってありますよね。時間がかかるというより、なかなか取りかかれない。

「考えている時間」と「悩んでいる時間」があるとしたら、実際には悩んでいる時間のほうが長いこともあります。タスク自体はすぐ終わるかもしれないのに、その前後で「やりたくない」と感じている自分の背中を押すことに、かなりの時間を使っている。そこを軽くすることも、私たちらしい効率化だと思っています。

本当にそう。「今やってしまえばいいのに」と思いながら、「やりたくないなー」と考えて、二日くらい寝かせてしまうこともあったりします(笑)
しかも、その二日間も完全に忘れてるわけじゃなくて。頭の片隅に「やらなきゃ」が居座って脳の一部分を占領してる状態だったりする。

そう。それも結構疲れる。まずは、「やりたくない」と感じている自分も、それでよいと受け止める。その上で、「じゃあ何がそんなに負担なんだろう」と考えて、心理的な重さを少しずつ軽くしていく。そうした気持ちの面へのアプローチも、半日分の余白をつくるうえで大切にしてきました。

週休2.5日制度は、まだ完成していない

7カ月間やってみて、制度をやめるつもりはありません。週休2.5日をもっと有効に使い、さらによい制度にしていくために、「ここは変えなければいけない」「これは考えていきたい」ということも出てきました。

実際に休んでみたからこそ、通知の問題のように、制度だけでは解決しないことにも気づけました。休みを制度として用意するだけでなく、本当に休める状態をどうつくるかまで考えていきたいです。きっとこれからも、「もっとこうしたい」ということが出てきそうですよね。

出てくると思います。(笑)

我々、そういうところは貪欲だからね(笑)

でもそれでいいと思っていて。やってみて、違和感が出てきたら話す。一緒に考えて、変えた方が良ければ変える。私たちが無理なく働き続けるために、その時の仕事や自分たちの状態に合わせて、これからも調整しながら育てていけたらと思っています。

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