2026年9月16日、LiMiNALコンサルティングは「週休2.5日 実践セミナー」をオンラインで開催しました。
給与を維持しながら、働く時間を半日減らす。私たちは2025年11月から、この働き方を自社で実践しています。
制度の設計や7カ月間の運用結果は、これまでもレポートや記事で発信してきました。今回のセミナーでは、その中で重ねてきた判断や迷いを直接お伝えするとともに、参加された皆さまの立場から、実践に問いを寄せていただく機会をつくりました。
代表の北山乃理子と、ファシリテーターを務めたフリーランス人事の杉本朱(すぎもとあや)さん。二人の対話に参加者からの質問も加わり、自分たちの働き方を、いつもとは違う角度から考える時間になりました。
まずは、自分たちでやってみる
北山が冒頭で話したのは、人や組織に提案するものを、まずは自分自身でも実践したいという思いでした。
自分たちで取り組むと、考えていた通りには進まないことがあると気付きます。制度としては休めるようになっても、休み中に仕事が気になったり、減らせるはずの作業を手放すことに不安が生じたりする。当日は、そうした経験も含めてお話ししました。
例えば、社内向けのPowerPoint資料を作る習慣を見直したときのことです。
北山には、社内打ち合わせに向けてPowerPointで資料を作り、そこに話し合った内容や考えたことをまとめて残す習慣がありました。
しかし、その作業が本当に必要なのかを検討し、社内向けのPowerPointを作ることをやめてみました。話し合った内容は文字起こしとAIを活用し、Notionに蓄積する方法へと変更したのです。
情報を残す方法は、ほかにもある。それでも、長く慣れ親しんだやり方を変えることには、北山自身にも抵抗がありました。必要性を問い直し、不安を感じながらも従来のやり方を変え、実際に使ってみる。その過程を経て、ようやく手放せた作業でした。
仕事を見直すときには、合理的に考えれば変えられることにも、不安やためらいが伴います。
私たち自身が迷いながら取り組んできたからこそ、何を変えたかだけでなく、どこでためらい、何を話し合って決めたのかもお伝えすることができました。
人事担当者の立場から、制度の導入を考える
後半、杉本さんが最初に投げかけたのは、人事担当者としてこの制度を経営層に提案するとしたら、どう進めるかという問いでした。
会社員時代に人事を担当していた杉本さん。提案する場面を想像すると、まず経営層の顔が浮かび、「何と言われるだろう」ということが気になったそうです。
LiMiNALでは、週休2.5日は経営ビジョンにつながる取り組みであり、代表自身が必要性を感じ、実践しています。
一方、人事担当者が経営層に提案する場合は、まず、その必要性を共有するところから始まります。
では、経営層と制度の必要性を共有するために、どう話を進めればよいのでしょうか。
北山が話したのは、一度の提案で賛同を得ようとするよりも、返ってきた反応から、経営者が何を心配し、何を大切にしているのかを知ることが第一歩だということでした。
働き方を大きく変える提案に、すぐに「ぜひやろう」と言える経営者は多くないかもしれません。売上への影響が気になるのか、現場の運営に不安があるのか。どこが受け入れにくいのかは、実際に話してみて初めて分かる部分があります。
すぐに賛同が得られなくても、その反応は次の提案を考える手がかりになります。懸念が具体的になれば、何を確かめ、どのような材料を補う必要があるのかも見えてきます。
このやり取りでは、制度の良さを伝えることに加えて、導入を判断する相手の不安や関心に耳を傾けることの大切さが語られました。
杉本さんの問いによって、LiMiNALの実践を、制度を提案する人事担当者の立場から考える時間になりました。
対話の中で、私たち自身の考えも広がる
終盤には、杉本さんが会社員時代に経験したノー残業デーの話に。チームで働き方を変えるために何が必要か、という対話に進みました。
仕事量が変わらないまま早く帰ることを求められ、持ち帰りや見えない残業が生じていたという経験。
それを受けて北山が話したのは、業務を減らしたり、仕事の進め方を変えたりすることで、無理なく休みを取れる状態をつくった人の取り組みを、きちんと評価することの必要性でした。
例えば、これまで続けていた作業の必要性を確かめ、やめることを提案する。必要な成果を出せるように、仕事の進め方を変える。こうした見直しには、考える時間も、周囲との調整も必要で、相応の労力がかかります。
その工夫や労力をきちんと評価することが、チームで働き方を変えていく後押しになります。
会社が「休んでいい」と伝えていても、実際には長い時間働く人ばかりが評価されていれば、社員は安心して仕事を減らせません。それどころか、業務を見直して生まれた余白にも、さらに仕事を詰め込んでしまうかもしれません。
だからこそ、働く時間を減らす制度をつくるときには、何を成果とし、どのような取り組みを評価するのかも、一緒に考える必要があります。
北山は、ほかの会社で週休2.5日の導入を考える際にも、評価とのつながりをセットで伝えたいと話しました。
杉本さんの経験をきっかけに、組織がどのような行動を認め、後押しするのかという話へと、論点が広がりました。
相手の経験を聞き、問いを受け、その場で言葉にすることで、自分たちが大切にしたいことも、より具体的になっていきます。北山も最後に、質問を受けて言語化することで、改めて気づくことがあったと振り返っています。
自分たちの実践を、それぞれの組織で考えるきっかけに
当日は、営業時間や必要な人員が決まっている職場で、休みを増やせるのかという問いも出ました。
そこには、LiMiNALとは異なる難しさがあります。自分たちが実践できたことを、そのまま別の会社に当てはめることはできません。仕事内容や組織の状況を知り、何を変えられるのかを一緒に考える必要があります。
今回お伝えしたのは、創業期の小さなコンサルティング会社が取り組んだ、一つの実践です。その経験を外にひらくことで、ほかの組織で働く方々から問いをいただき、私たち自身も考えを深めることができました。
LiMiNALが目指す「つかれない社会」に向けて、どのような働き方や組織のあり方が考えられるのか。これからも、自分たちで試し、その経験を伝え、対話を通じて考え続けていきたいと思います。
ご参加いただいた皆さま、そして、それぞれの立場を行き来しながら対話を深めてくださった杉本さん、ありがとうございました。

制度設計と運用結果の詳細は、「週休2.5日制度の導入と検証レポート」でご紹介しています。当日の質問や対話、セミナー動画は、noteの開催報告をご覧ください。
▼週休2.5日制度の導入と検証レポートダウンロードはこちら
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▼noteの開催報告はこちら
https://note.com/liminal_cons/n/nfa397d1fe94e
